電子帳簿保存法の改正により、2024年1月から、電子データで受け取った請求書や領収書は、電子データのまま保存することが原則になりました。紙に印刷して保存するだけでは、要件を満たさなくなっています。

何が変わったのか

以前は、メールで受け取った請求書を紙に印刷して保存する方法も認められていました。改正後は、電子データで受け取ったものは電子データのまま保存する必要があります。

一方、紙で受け取った請求書は、これまでどおり紙のまま保存できます。紙の書類をスキャンして電子で保存することもできますが、こちらは任意です。

IT関連の取引は、ほとんどが電子取引

システム開発の外注費、クラウドサービスの利用料、ソフトウェアのライセンス料。IT関連の取引は、請求書がメールで届いたり、Webの管理画面からダウンロードしたりするものがほとんどです。これらはすべて「電子取引」にあたります。

電子取引の範囲は、思っているより広いものです。

  • メールに添付されたPDFの請求書
  • Webの管理画面からダウンロードする請求書や領収書
  • チャットで送られてきた見積書や請求書のファイル
  • ネット通販で買ったパソコンや周辺機器の領収書

保存のときに求められること

電子データを保存するときは、あとから探せるようにしておく必要があります。代表的なのは、次の3つの項目で検索できることです。

  • 取引の年月日
  • 取引の金額
  • 取引先

専用のシステムを使わなくても、ファイル名に「日付_取引先_金額」を入れてフォルダで管理する方法でも対応できます。たとえば「20260630_〇〇株式会社_55000.pdf」のような名前です。

あわせて、データを勝手に書き換えないための社内のルール(事務処理規程)を決めておく方法があります。国税庁がひな形を公開しているので、それをもとに作ると手間が省けます。

見落としやすいもの

管理画面で見られるだけの請求書

クラウドサービスの管理画面で見られるうちは安心していても、サービスの解約後は見られなくなることがあります。毎月決まった日にダウンロードして保存する、と決めておくと漏れを防げます。

担当者のメールに届く請求書

請求書が、経理ではなく、サービスを契約した社員のメールに届いていることがあります。その社員が退職すると、請求書の在りかが分からなくなります。請求書の送り先を、共有のアドレスに変えておくと安心です。

海外のサービスの領収書

海外のサービスから届く英語の領収書も、同じように保存が必要です。

見落としやすい電子取引
もの 気をつけること
管理画面で見られるだけの請求書 解約後は見られなくなるため、決まった日にダウンロードして保存する
担当者のメールに届く請求書 退職すると在りかが分からなくなるため、送り先を共有のアドレスに変える
海外のサービスの領収書 英語の領収書も、同じように保存が必要

会計ソフトとつなぐ

請求書を受け取ったら会計ソフトに取り込み、取引と一緒に保存する方法もあります。電子帳簿保存法の要件に対応した会計ソフトであれば、検索の要件も満たしやすくなります。毎月の作業も、取り込むだけで済むようになります。

保存の方法には細かな要件や例外があります。自社の運用が適切かどうかは、国税庁の資料で確認してください。

参考:国税庁「電子帳簿保存法関係」 https://www.nta.go.jp/