システム開発を外部に頼むとき、「何を準備すればいいのか分からない」という声をよく聞きます。立派な資料は必要ありません。次のようなものがあれば、最初の相談はぐっと具体的になります。

逆に、何も準備せずに相談すると、最初の打ち合わせが業務の説明だけで終わってしまい、見積もりが出るまでに時間がかかります。

今の業務の流れ

いま、その業務をどうやって回しているかを書き出したものです。図にする必要はなく、箇条書きで十分です。

  • 誰が、何をきっかけに作業を始めるか
  • どの順番で、どのファイルやシステムを使うか
  • 途中で、誰に確認したり、承認をもらったりするか
  • 最後に、何ができあがれば終わりか

書き出してみると、社内でも人によって手順が違っていたことに気づくことがあります。それ自体が、システム化の前に整理しておくべき大事な発見です。

今使っているファイルや画面

実際に使っているExcelのファイル、紙の帳票、システムの画面の写真などです。個人情報などは消したもので構いません。実物を見ると、言葉で説明するよりずっと早く伝わります。

特に、取引先から届く注文書や、お客様に送っている書類の見本があると、何を読み取り、何を作ればよいのかがはっきりします。

困っていること

一番困っていることを、具体的に書いておきます。「時間がかかる」よりも、「月末の集計に毎月8時間かかっている」のほうが、何を作ればよいかが見えやすくなります。

困っていることが複数ある場合は、優先順位をつけておきます。全部を一度に解決しようとすると費用が大きくなるため、一番困っているところから手をつけることになります。

使う人と人数

システムを使うのは誰か、何人くらいか。社内だけか、取引先も使うのか。パソコンで使うのか、スマートフォンでも使うのか。事務所の中だけで使うのか、外出先からも使うのか。

つなぎたいもの

今使っている会計ソフト、在庫管理のサービス、顧客管理のサービスなど、新しいシステムとデータをやり取りしたいものがあれば、名前を書いておきます。つなげるかどうかで、作り方も費用も変わります。

予算と時期の目安

決まっていなければ、おおよそで構いません。「この時期までに、この予算の範囲で」という目安があると、何を先に作るかの優先順位をつけやすくなります。

予算を伝えると高く見積もられるのでは、と心配される方もいます。しかし、予算が分からないと、開発会社は理想的な形で見積もるしかなく、かえって手の届かない金額が出てくることがあります。

最初の相談で用意しておくもの
用意するもの 中身
今の業務の流れ 誰が、何をきっかけに、どの順番で作業し、何ができたら終わりか
今使っているファイルや画面 Excel、紙の帳票、画面の写真(個人情報は消したもの)
困っていること 一番困っていることを具体的に。複数なら優先順位も
使う人と人数 社内だけか取引先もか、パソコンかスマートフォンか
つなぎたいもの 会計ソフトや顧客管理など、データをやり取りしたいもの
予算と時期の目安 おおよそで構わない

なくても大丈夫なもの

画面の設計図や、細かな機能の一覧は、最初の段階ではなくても大丈夫です。むしろ、最初から機能を決めすぎると、本当に必要なものを見落とすことがあります。

困っていることと、今の業務の流れを伝えていただければ、何を作るべきかは一緒に考えます。

相談の前に社内で決めておくこと

もう一つ、社内の窓口になる人を決めておくと、その後の進み方が大きく変わります。質問に答えられる人、現場と開発会社の間をつなげる人が一人いるだけで、確認の待ち時間が減ります。