複数の開発会社に相談して、提案や見積もりをもらう。このとき、会社ごとに口頭で少しずつ違う説明をしていると、返ってくる提案の前提もばらばらになり、比べられなくなります。

同じ条件を文書にまとめて渡すのが、提案依頼書(RFP)です。大きな会社が使う堅い書類というイメージがありますが、数ページの簡単なものでも、十分に役に立ちます。

最低限書いておきたいこと

会社と業務の紹介

どんな事業をしている会社で、システム化したい業務は何か。業務の規模(件数や関わる人数)も書いておくと、開発会社が規模感をつかみやすくなります。

今困っていること

なぜシステムを作りたいのか。今の業務のどこに、どんな困りごとがあるのか。ここが一番大切な部分です。

「受注の管理システムを作りたい」と書くより、「受注の内容をメールから表に転記する作業に、毎日3時間かかっている」と書くほうが、開発会社は解決の方法を考えやすくなります。

やりたいこと

システムで実現したいことを書きます。ここでは、細かな機能を並べるより、「何ができるようになればよいか」を書くのがおすすめです。

使う人と環境

誰が、何人くらい、どこで使うのか。パソコンか、スマートフォンか。今使っているシステムで、つなぎたいものはあるか。

予算と時期

予算の目安と、いつまでに使い始めたいかを書きます。予算を書きたくない場合でも、おおよその幅だけは示しておくと、現実的な提案が返ってきます。

提案してほしい内容

何を提案に含めてほしいかを書きます。

  • 作り方の考え方
  • 作る範囲と、作らない範囲
  • 進め方と、おおよその日程
  • 費用の内訳(作る費用と、作った後の費用)
  • 体制(誰が担当するのか)

これを指定しておくと、各社の提案が同じ形でそろい、比べやすくなります。

締め切りと連絡先

提案の締め切り、質問の受け付け方、選ぶ時期を書いておきます。

提案依頼書に書くこと
項目 中身
会社と業務の紹介 事業の内容、システム化したい業務と規模
今困っていること 業務のどこに、どんな困りごとがあるか(一番大切)
やりたいこと 何ができるようになればよいか
使う人と環境 誰が何人くらい、どこで、何で使うか。つなぎたいシステム
予算と時期 予算の目安と使い始めたい時期
提案してほしい内容 作り方、範囲、進め方と日程、費用の内訳、体制
締め切りと連絡先 提案の締め切り、質問の受け付け方、選ぶ時期

書きすぎないことも大切

提案依頼書に細かな機能や画面まで書き込むと、開発会社はその通りに作る前提で見積もります。その結果、もっと良い方法があっても、提案に出てこなくなります。

困っていることと、実現したいことをしっかり書き、作り方は開発会社の提案に任せる。この形のほうが、良い提案が集まりやすくなります。

質問の受け付けを用意する

提案依頼書を渡した後、開発会社から質問が来ることがあります。ある会社からの質問と答えは、ほかの会社にも共有するのが公平です。同じ情報をもとに提案してもらうことで、比べやすさも保てます。

選ぶ基準を先に決めておく

提案が集まってから選ぶ基準を考えると、印象や金額に引っぱられがちです。何を重視するのか(費用、日程、提案の中身、体制、作った後の対応)を、提案を受け取る前に社内で決めておくと、判断がぶれにくくなります。