システムを作った後、多くの会社が開発会社と保守の契約を結びます。ところが、保守で何をしてもらえるのかを、はっきり把握していないことがよくあります。

困ったときに頼んでみたら「それは保守の範囲外なので別途お見積りです」と言われた。毎月払っているのに、何もしてもらえていない気がする。こうした行き違いは、契約の中身を確かめていないことから起こります。

保守と一口に言っても中身は違う

保守の契約に含まれる作業は、会社や契約によってさまざまです。代表的なものを挙げます。

  • 不具合が起きたときの調査と修正
  • セキュリティの更新
  • 使っている部品やサービスの更新
  • システムが止まっていないかの監視
  • バックアップが取れているかの確認
  • 操作方法についての問い合わせへの対応
  • 小さな修正や設定の変更

このうち、どこまでが毎月の費用に含まれ、どこからが別料金なのかは、契約によって大きく違います。

確かめておきたい項目

対応の時間帯と、返事までの時間

平日の日中だけなのか、夜や休日も対応するのか。不具合を伝えてから、どれくらいで返事があるのか。業務が止まったときの影響が大きいシステムほど、ここは大切です。

返事が来るまでの時間と、直るまでの時間は別のものです。「1営業日以内に返事」と書いてあっても、それは直ることを約束しているわけではありません。

不具合の修正は無料か

自分たちの作った部分の不具合を、無料で直してもらえるのかどうか。期間の決まりがあるかどうかも確かめます。納品から1年は無料、それ以降は有料、といった決まりになっていることもあります。

小さな修正はどこまで含まれるか

画面の文言を変える、項目を1つ足す、といった小さな修正を、毎月の費用の中でしてもらえるのかどうか。含まれる場合は、月に何時間までなのかも確かめておきます。使わなかった時間が翌月に繰り越せるかどうかも、聞いておくとよい点です。

部品の更新は誰が判断するか

システムが使っている部品には、提供元の更新が止まる時期があります。古い部品のまま使い続けると、セキュリティの危険が増えます。更新が必要になったとき、それを保守の範囲で行うのか、別の改修として見積もるのかで、費用が大きく変わります。

何をしたかの報告があるか

毎月、どんな作業をしたのかを報告してもらえるかどうか。報告があれば、保守の費用が何に使われているかが分かります。

契約を終えるとき

保守の契約を終えるとき、設計の資料やソースコード、サーバーの管理権限を渡してもらえるかどうか。ここがあいまいだと、別の会社に移りたくなったときに困ります。

保守契約で確かめておきたい項目
項目 確かめること
対応の時間帯 いつ対応してもらえ、返事までにどれくらいかかるか
不具合の修正 無料で直してもらえるか
小さな修正 どこまで含まれるか
部品の更新 誰が判断するか
報告 何をしたかの報告があるか
契約を終えるとき 引き継ぎに必要なものを受け取れるか

使っていない保守にお金を払っていないか

逆に、ほとんど何も頼んでいないのに、毎月決まった額を払い続けている場合もあります。数年分の対応の記録を見直し、実際の使われ方に合った契約に変えることも検討してみてください。

月額の保守をやめて、必要になったときにその都度頼む形に変える会社もあります。ただしその場合、急ぎの対応をすぐに引き受けてもらえるとは限らないので、システムの大事さに合わせて選ぶことが大切です。