中小企業がソフトウェアやクラウドサービスを導入するときに使える補助金として知られていた「IT導入補助金」は、令和7年度補正予算の事業から「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。AIの機能を持つツールも、対象としてはっきり位置づけられています。
名前が変わったことで、「AIなら何でも補助される」と受け取られることもありますが、仕組みの基本は変わっていません。対象になるもの、ならないものを整理します。
基本の仕組みは変わらない
この補助金では、事務局に登録されたITツールを、登録された支援事業者と一緒に申請して導入します。会社が自由に選んだソフトを買って、後から費用を申請する仕組みではありません。
補助率は原則として費用の2分の1以内で、条件によって引き上げられる場合があります。補助の上限は、ツールが対象にする業務の数などによって変わります。
対象になるもの、ならないもの
対象になるもの
事務局に登録された会計、受発注、顧客管理などのソフトウェアやクラウドサービスと、その導入にかかる費用です。AIの機能を持つ登録ツールも含まれます。条件によっては、パソコンなどの機器が対象になる枠もあります。
対象にならないもの
自社のためだけに作る、いわゆるオーダーメイドのシステム開発は、基本的にこの補助金の対象ではありません。登録されたツールでなければ申請できないためです。
「補助金で自社専用のシステムを作りたい」という相談をよくいただきますが、その場合は、ほかの補助金を調べるか、開発の範囲を小さくして自己資金で始める方法を検討することになります。
申請の前に知っておきたいこと
いったんは全額を自社で払う
補助金は、採択されて導入し、報告を終えた後に支払われます。導入の時点では、いったん全額を自社で払う必要があります。資金の段取りを先に考えておきます。
要件の付く枠がある
賃上げなどの要件が付く枠があります。補助率が高くなる代わりに、要件を達成できないと、返還を求められることがあります。
準備に時間がかかる
申請にはGビズIDの取得が必要で、取得までに時間がかかることがあります。また、セキュリティ対策に取り組むことの宣言(SECURITY ACTION)が求められることもあります。公募の締め切りが近づいてから準備を始めると間に合わないことがあるので、早めに確かめておきます。
導入した後の報告
導入した後にも、効果の報告などが求められることがあります。
- 準備に時間がかかるGビズIDの取得などに時間がかかるため、早めに確かめる
- 要件の付く枠がある要件を達成できないと、返還を求められることがある
- いったんは全額を自社で払う補助金は、導入して報告を終えた後に支払われる
- 導入した後の報告効果の報告などが求められることがある
補助金ありきで選ばない
補助金があるから、という理由でツールを選ぶと、業務に合わないものを入れてしまうことがあります。半額になっても、使われなければ費用はそのまま無駄になります。
まず「何の業務を、どう変えたいのか」を決め、それに合うツールを選び、そのツールで補助金を使えるかどうかを調べる。この順番がおすすめです。
補助額や要件は公募の回ごとに変わります。申請の前に、必ず事務局の公募要領で確認してください。
参考:中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/
