クラウドは、使った分だけ払う仕組みです。最初は安く始められる一方で、管理をしないと、いつの間にか利用料が増えていきます。請求の明細が英語で、項目も細かいため、誰も中身を見ていないという会社も少なくありません。

よくある原因

使っていないものが残っている

試しに作ったサーバー、退職した人が使っていた環境、終わったプロジェクトのデータ、古いバックアップ。使っていなくても、残っている限り料金はかかり続けます。

特に多いのは、テストのために一時的に作ったものが、そのまま残っている例です。作った人は覚えていても、ほかの人は何のためのものか分からず、消してよいか判断できないまま残り続けます。

必要以上に大きなものを使っている

始めたときに余裕を持って大きめのサーバーを選び、そのまま使い続けている例はよくあります。実際の使われ方に対して大きすぎる場合は、小さくするだけで費用が下がります。

逆に、小さすぎるサーバーで無理をしていると、動作が遅くなったり、止まったりすることもあります。大きさは、実際の使われ方を見て決めるのが基本です。

データの保管が増え続けている

ログや画像、バックアップのデータは、放っておくと増え続けます。古いデータを自動で消す、安い保管場所に移す、といった設定がされていないと、保管の費用が少しずつ膨らみます。

外部への通信が増えている

クラウドから外へデータを送る通信には、料金がかかることがあります。サイトへのアクセスが増えた、大きなファイルの配信を始めた、といった変化で、通信の費用が増えることがあります。

使った量に応じて払うサービスが増えている

AIの呼び出し、メールの送信、文字の読み取りなど、1回ごとに料金がかかるサービスは、使う量が増えればそのまま費用も増えます。

注意したいのは、システムの不具合で同じ処理が何度もくり返されている場合です。失敗した処理を自動でやり直す仕組みが、条件によっては際限なくやり直し続け、気づいたときには大きな請求になっていた、ということが起こりえます。

利用料が増える原因
原因 見直し方
使っていないものが残っている 止めるか消す
必要以上に大きなものを使っている 大きさを見直す
データの保管が増え続けている 古いデータをいつ消すか決める
外部への通信が増えている 原因を確かめる
使った量に応じて払うサービスが増えている どこで、どれくらい使うかを決める

毎月確かめておきたいこと

  • 利用料の明細を、サービスごとに前の月と比べる
  • 急に増えた項目があれば、原因を確かめる
  • 予算を決め、超えそうになったら通知が届くように設定する
  • 通知が届く先のメールアドレスが、今も読まれているかを確かめる

クラウドの多くには、利用料が一定の額を超えると通知する機能があります。設定は数分で済むので、まだの場合はすぐに設定しておくことをおすすめします。

最後の項目は見落としがちです。通知を設定していても、その通知が退職した人のメールや、誰も見ていないアドレスに届いていれば意味がありません。

作る段階で決めておく

利用料は、システムを作る段階の設計でも大きく変わります。

  • 古いデータを、いつ消すか
  • どの程度のアクセスを想定するか
  • 失敗した処理を、何回までやり直すか
  • 使った量に応じて払うサービスを、どこで、どれくらい使うか

これらを最初に決めておくと、後から利用料が膨らむのを防げます。開発会社に頼む場合は、毎月の利用料の見込みと、その前提を聞いておくとよいでしょう。